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竹永 秀信; 東島 智; 大山 直幸; Bruskin, L. G.; 小出 芳彦; 井手 俊介; 白井 浩; 坂本 宜照; 鈴木 隆博; Hill, K. W.*; et al.
Nuclear Fusion, 43(10), p.1235 - 1245, 2003/10
被引用回数:71 パーセンタイル:88.59(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uの負磁気シア及び高モードプラズマにおける内部輸送障壁(ITB)での粒子と熱輸送の関係について系統的に調べた。ヘリウムと炭素はITB内側で蓄積しないが、重不純物のアルゴンはITB内側で蓄積することを明らかにした。ヘリウムの拡散係数とイオンの熱拡散係数は、高モードプラズマでは、新古典値より5-10倍程度大きく、異常輸送が支配的である。負磁気シアプラズマでは、ヘリウムの拡散係数はイオンの熱拡散係数とともに、異常拡散が支配的な領域から新古典値程度まで減少する。炭素及びアルゴンの密度分布は、イオンの熱拡散係数が新古典値程度まで減少していても、新古典理論から計算される分布より平坦であり、炭素,アルゴンの拡散係数は新古典値より大きい。高モードプラズマに電子サイクロトロン加熱(ECH)を適用した場合に、密度と中心部の軟X線強度が顕著に減少し、アルゴンが中心領域から吐き出されることを見いだした。このとき、密度のITBはほぼ無くなっており、それにより新古典理論で予測される密度勾配によるアルゴンの内向き速度が減少する。負磁気シアプラズマでは、ECHによる明確な密度及び軟X線強度の減少は観測されなかった。このことは、不純物の蓄積を抑えるためには、密度勾配の制御が重要であることを示している。
鎌田 裕; JT-60チーム
プラズマ・核融合学会誌, 78(9), p.949 - 967, 2002/09
ITER及び原型炉に向けた先進トカマク運転概念の確立を目標とした研究である。ITERに近接する無次元量領域で、内部及び周辺輸送障壁を持つプラズマの分布構造,応答と、それを決定するパラメータ相互の相関に関する研究を進め、分布形状制御による、安定性,閉じ込め性能,非誘導電流駆動性能,高密度化により総合性能を高めた。
鎌田 裕; 竹永 秀信; 諫山 明彦; 波多江 仰紀; 浦野 創*; 久保 博孝; 滝塚 知典; 三浦 幸俊
Plasma Physics and Controlled Fusion, 44(5A), p.A279 - A286, 2002/05
被引用回数:77 パーセンタイル:89.65(Physics, Fluids & Plasmas)高三角度化及びペレット入射による高 ELMy Hモードの性能向上と、それを支えるペデスタル構造について報告する。高三角度化により、高閉じ込め・高規格化ベータ完全非誘導電流駆動プラズマを、瞬間ダイバータ熱流束の小さなGrassy ELMy Hモードと共存させることに成功するとともに、負イオン源NNB入射により、高HHファクターHH=1.2,高規格化ベータ=3をグリンワルド密度指数60%で達成した。また、連続固体水素ペレット入射により、高閉じ込めが得られる密度上限を伸長した。このとき、通常のガス供給法と比べて、同密度で3倍も高い周辺温度が得られた。周辺ペデスタル部の圧力限界がポロイダル値とともに改善されることを見いだし、コア部からペデスタル部を含む全領域における分布の観点からHモードプラズマの性能決定プロセスを明らかにした。
諫山 明彦; 鎌田 裕; 小関 隆久; 井手 俊介
Proceedings of 10th International Toki Conference on Plasma Physics and Controlled Nuclear Fusion (ITC-10), p.94 - 98, 2000/00
JT-60Uでは加熱分布や圧力分布を最適化することにより、高Hモードプラズマを長時間維持するのに成功しているが、値が高い領域では抵抗性不安定性が発生し閉じ込め性能が劣化する。この不安定性は、(1)密度が低いほど発生しやすい、(2)値が高いほど発生しやすい、(3)不安定性飽和時の磁場揺動の振幅は値とともに大きくなるなどの特徴がある。これらの特徴は新古典テアリングモードの特徴と似ていて、特に(2)と(3)は古典的なテアリングモードとは逆の傾向を示す。理論計算の結果でも本抵抗性不安定性は新古典テアリングモードの性質を示すことがわかった。また、1999年、電子サイクロトロン(EC)波を入射して不安定性を安定化する実験を行った。ECE計測装置で同定した不安定性発生場所にEC波が吸収されるように入射角を調節した結果、特定の放電で磁場揺動の振幅と磁気島付近の電子温度揺動が減少することを観測した。